HACCP認証取得事例
新潟県新発田市・中条町 株式会社栗山米菓

注目高まるDS 3027EデンマークHACCP認証

2001年4月  米菓の製造 デンマーク基準HACCP認証取得

PL法制定をきっかけに認証の必要性を認識。
日本初のデンマークHACCP取得を果たす。

ご協力:
伊藤 繁夫 様 取締役 業務本部長
服部 裕治 様 業務本部 品質保証担当マネージャー

・じっくり型取り組みで現場を牽引
栗山米菓は、BVQIが日本で初めてHACCP認証書を発行した食品企業である。食品の中でも最も危険性が低いと思われるあられ、おかき、せんべいのメーカーであり、取得時には「なぜ、乾き物メーカーがわざわざHACCPを?」という声も聞かれた。
同社のHACCP取得の背景にはPL法の制定がある。PL法が制定され、製造者責任と製品の安全性が一層厳しく問われることになった時、社内にHACCPの勉強会も始めようという声がおこったのである。またもうひとつの理由は流通対策であった。同社ではコンビニエンスストアとの取引が多く、「PL保険の証書を提出せよ」といってきたケースもあり、「今後ますます取引先選別が進むことが予測され、早晩認証取得が納入業者の必須条件になるだろうと感じました」という。今ではこの予測どおり大手スーパーやコンビ二エンスストアに認証を使った取引先選別の動きが出てきており、「早めの対応をしてよかったと思っています」と取締役業務本部長の伊藤 繁夫氏は満足気だ。
社内では当初HACCPとISO9001のどちらを優先すべきかという議論が起こったが、「食品メーカーだから品質より安全性確保のためのHACCPを先行させるべきだ」という結論に達し、平成11年4月から製造責任者を集めての勉強会が始まった。初めての認証取得体験でもあり、当初現場には「HACCPは難しい」「築後17年も経つ古い工場で本当に取得できるのか」といった幾分警戒した雰囲気があった。そこでトップは1年をかけてパート従業員にまで徹底した意識付けを行い、次の1年で取得のための具体的な活動に入るというじっくり型の取り組みで臨んだ。たとえば最初は、黒ずんだ壁を磨いてきれいにすることを、幹部とコンサルタントが実際にやってみせるところから始めて、なぜ清掃するのか、整頓するのか、記録を残すのかという意味の大切さを理解してもらう取り組みを4、5か月かけて行った。
するとやがてこうした丁寧な取得活動の効果がじわじわと現れ始めた。現場スタッフの間に意識と自主性が芽生え、「HACCP」という言葉が工場内で飛び交うことが多くなり、労働規範として合言葉化してきたのである。「それまでは比較的危険性の低い製品を扱っているために、現場には危機管理に対する意識があまりありませんでした。それが勉強会を重ねるうちにこれではいけないと、スタッフがSSOP(衛生基準運用手順)の決め事を自然に自主的に意識し、実行しだしたのです。そして最終的には現場から逆提案があがってくるようになりました。
しめた、と思いましたね」と伊藤氏はそのプロセスを振り返る。
そして約1年後の平成12年1月に各現場の若手リーダーを中心としたHACCP準備委員会を設定しキックオフした。そこからは一気に気運が高まり、順調に課題をこなし、見事に日本初のデンマークHACCP認証取得を果たしたのである。

・50工程の危害分析
一方、会社側にもさまざまな“変化”がおこった。最も大きかったのは、創業以来初めて生物学的、化学的危害分析を行ったことだ。また危害分析の過程で工程の分析と検証も改めて行われた。「そうしたら何と50もの工程があることが改めて分かり、驚きました。そのひとつひとつについて危害分析を行うことは大変な作業でしたが、とても勉強になりました。と同時に、自社製品の安全性に自信がつきました。なにしろすべてを洗い直して、その安全性を徹底的に確かめたわけですから」と業務本部品質保証担当マネージャーの服部 裕治氏は言う。
しかしここまで準備していても、審査ではさらに厳しい追究を受けた。たとえば「醤油貯蔵用のプラスチックタンクから有害物質の溶け出しはないか」といった質問が審査員からあり、「食品向けの特別性だから大丈夫」と答えると「その証明書を見せなさい」と追求された。「びっくりしましたが、なるほどと思いました。何に関しても証明、証拠が必要なのです。伝聞や推察の域を出ないことは認めてはいけない、でないと本当の安全性は確保できないということなのです」(服部氏)。
こうした厳しい審査をパスして認証取得して1年が経つ。この間、業界に与えたインパクトは強く、同業他社から数件の問い合わせが入った。また大手スーパーの取引先説明会でHACCP取得についての発表を要請されたり、地元保健所から講習を依頼されたりと、業界の注目度は日を追って高まっている。そうした場では「HACCPは現場にリアリティのあるものでなくてはダメ。形にこだわり難しすぎて現場が使いこなせなければ意味がない現場のための規格です」とアドバイスしている。
また同社ではHACCP取得後、間をおかずISO9001の取得も果たした。HACCPで獲得したハイレベルで緻密な衛生管理の手法を拡大活用し、製造ライン全体をシステム管理することで、安全面に加えて品質面の安定的な維持、向上ができると考えたからだ。「巷間ではHACCPの方が難しいと思われているので、HACCPを取得したならISOはもう不要なのではないかと言う人もいますが、食品会社にとってHACCPとISOは車の両輪のようなもの。この二つの認証を取得していることで、地元の行政の信頼もうんと厚くなり、リーディング企業として評価されています」と伊藤氏は誇らしげだ。二つの認証で安全と品質という食品企業にとっての生命線をがっちりと保守した同社の今後の取り組みに注目したい。

IN SCOPE JAPAN Vol.7(2002年5月発行)より

 

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