ISO9001認証取得事例
やずやグループ 株式会社九州自然館

2002年4月 ISO9001認証取得

ISOを使い経営改革や事業継承ができることを発見。
有用性を評価し、ISO活用を推進する教育事業も展開予定。

ご協力:
西野 博道 様 やずやグループ 株式会社未来館 代表取締役

・カリスマ創業者の経営方針をISOで継承
「九州自然館」は、香酢の通信販売で知られるやずやのグループ企業である(98年分社)。
「やずや」が比較的大衆的な自然食品を扱っているのに対して、同社ではプロポリスやブラジル南部で取れる白いもを原料とする健康食品など、やや高級バージョンの健康食品の製造と通信販売をてがけている。
現在約20億円の年商があるが、正社員はわずか6名。多くの業務を“パートナー”と呼ぶ外注業者への委託でこなしており、そのパートナーシップがうまく運んでいることが、同社の利益の源泉になっている。
同社がQMS(品質マネジメントシステム)認証を取得したのは3年前。やずや社長でグループの総帥でもある矢頭美世子社長が「もっとやずやの社会的位置を高め、尊敬される企業になりたい」と言いだし、兄弟企業である九州自然館に「まず、そちらでEMS(環境マネジメントシステム)認証を取得してみてほしい」と依頼してきたことがきっかけである。
それまでも、九州自然館はやずやに比べて所帯が小さく身軽なこともあり、やずやのパイロット船的な役割を果たすことが多かった。「やずやでやる前に、まずは九州自然館で実験と方法論の模索を」というわけだ。
依頼を受けた九州自然館の西野博道さんは早速調査を始めた。そこで気がついたのは「うちでまず取得すべきは、マネジメントシステムの適合性が高いQMSだ」ということだった。
西野さんがそう思った大きな理由の一つは、99年に急逝したカリスマ創業者の矢頭宣男氏が常々言っており、経営理念にも上げていた事柄の多くが、QMSの規格や要求事項とほとんど同じ内容だと気づいたことにある。
それに気づいた西野さんは同時にこうも感じた。「トップと一緒に仕事する時間が長く、経験や年齢も重ねている自分は、宣男社長の言っていたことを思い出して活用できるが、社長を知らない若い社員や“パートナー”たちはそれができない。また宣男社長の言っていたことを知っている人でも、必ずしもそれを論理的に理解して日常業務に落とし込めるとは限らない。これからも正しく企業運営していくためには、いつでも誰にでも分かるように宣男社長の理念や経営方針を伝えていくことができるツールが必要で、それにはISOのマネジメントシステムは絶好だ」。
つまり、今までは感覚的、経験的、個人的にしか継承できなかった経営理念や経営方針を、ISOを使うことで、具体的、継続的、普遍的に伝え、実践するところまでもっていけると西野さんは感じたのである。

・危機管理の成功で顧客のファン化が促進
このような経緯もあって、西野さんの作成したマニュアルはあくまで実践的で分かりやすい。わずか21ページに、一切の無駄や虚飾を省いてまとめられている。「認証を取得するために詳細に分厚いマニュアルを作っても、読むのも面倒なようでは意味がない。簡潔で分かりやすいマニュアルにして、皆が快適に使うことが第一だ」と言う。また、「マニュアルは、運用しながらどんどん現状に即したものに変えていかないと、ただのお飾りになる」と、取得3年目でただいまバージョン22まで改訂されている。
実際に取得後、社内には変化が起こっている。西野さんが一番効果があったと感じているのは、社員がマニュアルをもとに自分たちで判断することとしないことを選択し、判断してもいいことについては自分たちで適切に処理できるようになったことである。
これによって、西野さんをはじめとする管理職は現場のこまごまとした雑事に振り回されることが少なくなり、本来のトップらしい仕事に取り組めるようになった。「安心して出張もできるし、落ち着いて会議もできるようになった」のだ。
次にリスク管理が堅固なものになった。たとえばBSE騒動のとき、カプセルに牛骨粉を使っている同社では、大混乱になったり消費者やマスコミに槍玉にあげられたりしてもおかしくなかった。しかし同社はそれを見越して、事前にISO規格に基づいて安全性の調査と対応策の決定を済ませていた。その裏付けをもってすべての顧客にこちらから先に情報を流して説明責任を果たした結果、一件のクレームや騒ぎも起こらずに事態をクリアできたのである。
さらに、「不安なこと、危険なことについては自発的に迅速に情報開示して、説明責任を果たしてくれる会社だ」という信頼感と安心感が顧客の間に醸成され、ファン化が進むという嬉しいおまけまで付いた。
「もしISOを取得していなければ、いや取得していたとしても使いこなしていなければ、きっと大騒ぎになって会社の存亡に関わる重大事に発展していたかもしれません。ところがISOで危機管理ができたおかげで、逆にファンが増えるという現象まで起こったのですからその差は大きいですよ」と西野さん。
まさにわが意を得たりのひとこまである。

・ISOを核にした経営塾を展開
前述したように、同社では業務の多くを外注している。ISOはその外注業者との関係づくりにも一役買っている。それには二つの側面がある。まず一つめは、QMSのマネジメントシステムが外注業者に対する管理体制のよりどころになっているというシンプルな側面。二つめは、西野さんが外注業者を対象にしたISOセミナーを開き、そのセミナーの中でともに取り組みをしてもらうことの重要性とパートナーシップの大切さを丁寧に説得することで、連帯感と信頼関係が生まれるという副次的な側面である。
「内部に社員を増やすよりも外注業者の確立された専門的な技術や力量を活用することで安全かつ迅速に事業を発展させる」という方針を取っているやずやグループ。同グループにとって、西野さんがISOを使って先鞭をつける外注業者とのスムーズな関係構築は屋台骨を左右するぐらい重要な意味をもっているのだ。また、やずやグル−プでは外注先のことは「ビジネスパ−トナ−」と呼んでおり名実共に力強い関係を築きあげている。
このようにこの3年間でISOのもつ数々の優れたメリットを知った西野さんは、このたび新規事業を立ち上げた。「株式会社未来館」と名づけた別会社におけるISOのマネジメントシステムの習得を核とした経営塾事業である。
かつて宣男社長が存命中に、若手後継者を集めて経営哲学を説く「すずめの学校」という私塾を開いていたことがある。今回西野さんが企画した経営塾は、宣男社長が次代の経営者に教えたかった「経営哲学」を「ISOのマネジメントシステム」に置き換えて、西野さんがその遺志を継承しようというものだ。「教える教えられるというより、一緒に考えて深化させていこうという学びあいの場を創りたいんです。社会的にも意義のあることでやりがいを感じます」と西野さんは意欲を見せる。
そのための校舎も新築した。110人収容のセミナールームをはじめ、交流室やイベントホールなどがある緑化屋上付きの3階建ての素晴らしい建物だ。6月初めの「リスクマネジメントセミナー」を皮切りに、マネジメントを学ぶ講座が次々と開催される予定だ。「せっかくですからお堅いセミナーだけでなく、広く皆さんに開放したいとも思っています」と西野さんの構想は膨らむ。
社内マネジメントから社外(外注)マネジメントへ。そしてさらに外へ拡張し、セミナー事業にまで発展させる。ISOをここまで活用しつくしているケースも珍しい。「でも根っこは一つ。ISOのマネジメントシステムの素晴らしさに自分自身が感服していることです」と西野さんは言う。

IN SCOPE JAPAN Vol.18(2005年8月発行)より

 

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