審査員コラム
「『リスク』について考える ISO9001改訂(2015年版)に関する考察」連載第1回

ISO9001/ISO14001 主任審査員 広瀬 春樹

2014/10/10up

2014年5月に発行されたISO/DIS9001:2014に頻出する「リスク」をキーワードに、
ISO9001の2015年版の意図に関する考察を深めます。(全2回)

お断り
2014年5月に発行されたISO/DIS9001:2014に基づくコラムであり、
今後の規格改訂の内容によっては解釈なども変更される可能性があります。


2015年の発行に向けて改訂作業が進められているISO9001ですが、2014年5月に発行された国際規格原案(DIS:Draft International Standard)では、”Risk-based thinking”が序文に取り上げられています。「リスクを基盤に置いた考え方」を規格要求事項に組み込み、品質マネジメントシステムにおける活動を計画・管理する際に考慮に入れることを求めており、各条項において”Risk”という言葉が多く登場します。「序文(0.5)」の「リスクベースドシンキング」の他に、「用語及び定義(3)」の「リスク(3.09)」、「組織の状況(4.1)」の「品質マネジメントシステム及びそのプロセス(4.4)」、「リーダーシップ(5.1)」の「顧客重視(5.1.2)」、「リスク及び機会への取り組み(6.1)」、「製造及びサービス提供(8.5)」の「引渡し後の活動(8.5.5)」、「パフォーマンス評価(9)」の「マネジメントレビュー(9.3)」の各条項で言及されています。

このように今回の改訂案では、多くの箇所で急に「リスク」が出てきたとの印象を受けますが、実は過去の改訂の流れを振り返ると、2008年版の改訂時に既に議論が始まっていたことから、ある程度予想されていたことです。「アウトプットマター(成果をどう考えるか)」という議論の結果、2008年版の「序文0.1一般」に、「組織における品質マネジメントシステムの設計および実施は次の事項によって影響を受ける。 a)組織環境、組織環境の変化及び組織環境に関連するリスク」が追記され、「リスク」という言葉がISO9001において初めて明確に使われました。その後の検討の進展により、共通テキスト(「統合版ISO補足指針」参照)に「リスク」への言及が含まれ、2015年版の改訂案に展開されたという経緯があります。事業での成果を上げていくためには、「リスク」への配慮が欠かせないとの認識がより重要になってきていると言えます。

(続く/本連載は毎週金曜日に掲載します)
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