審査員コラム
「品質マネジメントシステムの形骸化しやすい3大要求事項」連載第1回

ISO9001/ISO22301主任審査員 ISO13485審査員 相川 敦

2015/6/5up

ISO9001における形骸化しやすい3つの要求事項と形骸化の要因、そして
規格の本来の意図に関する考察を、筆者の審査経験をベースに深めます。(隔週金曜日掲載)


品質マネジメントシステムの形骸化しやすい3大要求事項 | ISO認証機関 ビューローベリタス
多数の組織の品質マネジメントシステムを審査してきた中で、規格への適合性の観点からは問題はなくとも、その組織にとって本当に意味のある運用になっているか疑問に感じる要求事項が見つかることがあります。マネジメントシステムの有効性という視点より「この組織にとってこれは快適な状態だろうか」と考えてしまう場面です。私たち審査員の役割は適合性の判定が第一ですが、併せて有効性についても目を向けます。その上でそんな印象を持つことがあるのです。
もちろんその組織のマネジメントシステムは組織自らが築き上げ改善を進めてきた姿なのですから、審査員といえども外部の者が単純に疑問を投げかけるのは場合によっては失礼なことになりますし、余計なお世話にもなりかねません。そんな時、私は次のような質問を投げかけます。

「この要求事項について、もしかしたら審査員さえ来なければやらなくて済むのにとか、規格に縛られなければもっとやりやすい方法があるのに、と感じていませんか。」

全面的に同意をいただくということはないのですが、多少なりともそのように感じているという声を聞くことは少なくありません。マネジメントシステムの効果を感じにくくなっている、規格の要求を窮屈に感じている、というケースです。

マネジメントシステムを運用する上で、どうしても「規格の要求事項に準じなければ」という意識が強くなりがちです。それ故にその規格要求が窮屈で実施する意味が乏しいと感じてしまうと、取り組みが嫌になってしまうでしょう。もし誰にとってもそうであったなら規格そのものに世界中から非難がでるはずです。しかしながら規格改訂の際にそれまでの要求事項が根本から変更されることはありません。つまり、どの要求事項もその必要性は明確で、実施する価値のあるものである、ととらえられます。

ではなぜ、意味のある要求が窮屈になってしまうのでしょうか。

その理由は規格の要求の背景、つまりなぜそのような要求が盛り込まれているのか、その要求の意図は何なのか、といったことへの考慮が充分でないことにあります。

連載第2回(6月19日掲載予定)より、これまでの審査経験を通して感じる形骸化しやすい3つの要求事項
(1) 文書の承認
(2) 教育・訓練の有効性の評価
(3) 供給者の評価
と形骸化の要因、そして規格の本来の意図についてお話ししていきます。

(続く/本連載は隔週金曜日に掲載します)
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