審査員座談会「ISO14001 事務局の審査」

その2〜マネジメントシステムの適合性・有効性/順守義務と維持管理/ユーティリティ・ファシリティ

2018/3/19up

日時:2017年9月19日(火) 14:00〜
※過去に実施した座談会の中から、お客様に役立ちそうなテーマについて掲載しています
出席者:審査員A(進行役)、審査員B、審査員C、審査員D

※本文中の用語について、下記のように表記します。
ISO14001(環境マネジメントシステム)=EMS
ISO9001(品質マネジメントシステム)=QMS


4. マネジメントシステムの適合性・有効性


審査員A:
マネジメントシステムの適合性、有効性の審査をするときに、参考になるエビデンスとかアクティビティとして見たい、もしくは見ているものはある?
審査員C:
マネジメントレビューの中で、定点観測事項を記録している組織が結構あるんだよ。
5年、10年できちんとデータを取って、どんな形になってきているというのを記録してる。
審査員D:
トレンド把握みたいな。
審査員C:
いくつかの項目については、10年にわたって毎年データを取っているとかね。そういう定点観測事項がないかどうかも確認するね。
行き当たりばったりのことしか書いていないようなレビューであれば、「だんだんそういうもの(定点観測)も入れていくといい」というように感じてもらう言い方をしてる。
審査員B:
マネジメントレビューのインプットに環境パフォーマンス、とあるから、環境パフォーマンスのトレンドを見るのにいいね。
審査員C:
トレンドが悪いなら悪いなりに、これを今後どうしようとしているのか、これに対して実際に現場が動いてるのかというところを見たいよね。
審査員A:
つまりデータとしては定点観測のデータを見て、その状況によって組織の取り扱いはどうなっているかを見ようということですね。適切に処置が取られていればマネジメントシステムは有効ということだ。
審査員B:
2015年版って、特にEMSにもQMSにも「意図した成果」ってあるじゃない。EMSのほうはそれがすごく明確に書いてあって、パフォーマンスの向上と遵守義務と目標の達成というのが意図した成果だから、意図した成果がちゃんと達成できてるということが、マネジメントシステムの有効性ですよね。
審査員D:
僕は内部監査で何が検出されているかを見るけど。
審査員A:
内部監査での検出事項?
審査員D:
そうそう。どの部門も全部適合となっていても、そういう組織こそ毎回同じチェックリストを使った形骸的な内部監査になってしまっているところがかなり多いんです。
審査員A:
つまり検出能力がないじゃないかということね。
審査員D:
だから僕は監査の目的と、実際に何が検出されているかということは考えます。
現場との整合性にズレがあったら、内部監査のプロセスが有効ではないということになる。

5. 順守義務と維持管理


審査員A:
2015年版では順守義務ということが規格の至るところに出てきますが、事務局の審査において具体的にどのように関わってくるのか、皆さんがどういう組み立てで審査を行っているのか聞かせていただけますか。
審査員C:
僕は目標管理と維持管理と法順守というのがEMSの3本柱と考えていて、リスクマネジメントの緊急事態は運用管理の一部だと思ってるんだよ。
審査員B:
「著しい環境側面」の中には法という概念がもう入っているんじゃないかな。
審査員C:
入ってる。その中で、ある程度普通の会社だったら法を守れているという想定で維持管理、監視測定と進む流れじゃない?
審査員A:
著しい環境側面の決定、目標設定、維持管理、という流れがありますね。これについてはどう?
審査員C:
著しい環境側面の決定は、目標設定に行くのと、維持管理に行くのと、2つに道が分かれるんだよ。目標と維持に分かれて、両方のパフォーマンスを出しますよという話に持っていく。「目標」は改善しなくてはいけないから、改善のパフォーマンスを見る。「維持」は現状維持で、悪くなっていないどうかをチェックするんだよ。維持基準を設定して、パフォーマンスを見る。維持基準に基づいて守れているということをチェックしなきゃいけない。
審査員A:
守れていればいい、と。
審査員C:
そう。良くする必要はなくて、守れていればいい。それから監視測定へ進んで、環境パフォーマンスとそれらの記録の管理。維持管理項目も記録がないと駄目なんだよ。しかもそれが2015年版の箇条8.1の一番最後に、適切なエビデンスを残せという要求事項が入ってきてるんだよ。

6.ユーティリティ・ファシリティ


審査員A:
全体の環境パフォーマンスについては事務局として全部把握しているのかどうかを審査で聞くわけですね。
審査員C:
事務局は総務が兼任している場合が多いから、事務局としての取りまとめ状況とは別に、事務局自身が実施する環境活動についても聞かなくちゃいけない。特に工場外部のユーティリティー管理の部分、排水処理設備廃棄物管理などは直接事務局に聞く。
審査員A:
逆に、それは取りまとめ部門だからじゃなくて、担当部門だからだ。
審査員B:
組織にもよるんですけれども、事務局としてまとめて審査する場合と、事務局審査に引き続いて総務、という感じで同じメンバーで審査したりしますね。
審査員D:
実務部門で聞けないところが必ずあるんですよ。食堂とか廊下とかね。こういうところはファシリティー、ユーティリティー(表1)管理をしている部門の管轄になる。
サイト全体に関わる
ユーティリティー
受変電設備、ガス、LPG、水道、井水、工業用水、上記、ボイラー、圧縮空気、エアコン、コジェネ、自家発電等
サイト全体に関わる
ファシリティー
排水処理設備、廃棄物置き場、危険物倉庫、劇物毒物倉庫、浄化槽、焼却炉、スクラバー、油水分離槽、地下タンク、地上タンク、配管、ガスタンク

(表1)

審査員A:
事務局自身の環境活動では何を見るの?事務局が担当しているのは、担当が決まっていないところ「その他全部」になっちゃうんでしょ。
審査員C:
そう。現場を巡回して工場の外側にあるものが大体含まれる。基本的にユーティリティーとファシリティーは全部、維持管理なの。
審査員D:
敷地の境界線を歩いたりして、騒音とか振動という観点も見てる。
審査員B:
最初のサイト全体確認で現場をザーッと歩いて、どこにどんなものがあるかを見ておいて、事務局の審査のときにもう1回確認のために行くことが多いです。
外を回ったときに、経験上、これは環境負荷が大きいなというのは感じるじゃないですか。タンクとか排水処理施設。これはどこの部署がやってますかというのは必ず聞かないと。


 

お問い合わせフォーム

 

お見積り依頼はこちらから

 

認証機関の変更をご検討ですか

 

フライヤー・パンフレットをダウンロード

 

開催予定一覧はこちら

 

関連ニュース

 

関連サービス