審査員座談会「ISO9001・ISO14001 2015年版への移行」

その3〜不適合・トップマネジメント

2017/6/27up

日時:2017年5月2日(火) 9:00 - 10:30
出席者:審査員A(進行役)、審査員B、審査員C、審査員D

※本文中の用語について、下記のように表記します。
ISO14001(環境マネジメントシステム)=EMS
ISO9001(品質マネジメントシステム)=QMS

1. 不適合について


審査員C:
今度の規格は不適合を出しにくくなっているんですよ、QMSもEMSも。エビデンスというか、記録の文書化されたものがすごく少ないので、不適合を出しにくいんです。
組織の方も2015年版で不適合が出ると認証更新できない、と誤解されていることが多い。
審査自体は今までどおりなので、不適合が出たら是正すればいい、という話なのですけどね。EMSなんか2004年版から10数年変わっていないわけですよ。その間に組織側の事務局の人間は替わっているけれど、組織の中で引き継がれていない。規格がそもそもあって、だから社内のマニュアルがあってシステムがあるんだ、ということがすっぽり抜けたまま2015年版に対応しなくちゃいけないらしい、と。どこから手をつければいいのか、というところでまず頭を抱え、失敗すると2015年版にアップデートできない=認証がなくなる、という得体の知れない恐怖があって、戦々恐々と準備されている組織が多いようです。
そうではなくて、不適合が出ても是正すればよいし、そんなに恐れないでいただきたいと受審組織に対しては思います。
審査員D:
2015年版のマニュアルはできたが、自信がないので(2015年版で運用しているにもかかわらず)QMSの審査は2008年版で受けたい、という組織がいくつかある。事務局としては、理解がこれでいいかどうかを確認したい、というのがどちらかというと多いんですよね。間違った運用をしたくない、という。どうせやるならちゃんとしてからやりたい、と。
審査員A:
それはNGではないけど、違和感はありますね。
審査員C:
組織の中で2015年版を知らなくちゃいけないということで勉強会を開いたりするんですが、現場は何も変わらない。2008年版のQMS審査を受けつつ2015年の話を聞いたりして…そういう猶予が欲しいんでしょうね。
審査員B:
2015年版で不適合が出そうなのは普段業務として行っているところなんですよ。
審査員D:
EMSで言えば、一番不適合が出やすいのは箇条8の運用管理でしょう。審査側からすると、2015年版の箇条4、5、6、7は不適合が出しづらい。リスクと機会が弱い、と感じることはあるが、必ずしも不適合ではない。規格としては「明確にしなさい」という表現が多いけれど、記録しろとは書いていないので。
リスクに対する規定とか手順書というものがあれば、それを確認して、できていなければ不適合。規格に対してというよりも自社で定めたルールへの不適合です。なお、リスクへの対応は何かしら組織で行っているはずなので、そこを審査員が見れば、それほど2015年版の不適合というのはないと思う。ただし、環境側面のところで緊急事態などの新規に追加されたものの不足による不適合はあるかもしれない。ビューローベリタスのお客様であれば従来やっているのでこれは問題ないですが。

2. トップマネジメント


審査員B:
将来的に考えると、経営者の審査時間を増やす必要があるのでは。社長の思い、それが会社にどう展開されているかをお話いただく時間。
審査員C:
社長の「思い」をまず話していただきたいですね。そしてその思いが社員に伝わっているか。「リスクと機会」というより「課題と希望」、で話してもらったらよいかもしれない。
審査員D:
社長の中では課題の優先順位は頭に入っているだろうし、それを話していただきたい。重要なことは、それとマネジメントシステムとのつながりです。
審査員B:
EMSの場合は著しい環境側面になった場合はそれが目標になるのか、維持管理になるのかは担当の頭の中には絶対入っているんだけど、やはりこういうものは見える化した方がいいよね。
審査員D:
その方が審査もしやすい。
審査員C:
EMSもQMSも入り口のところがまず大切。QMSでは「適用不可能」がまた大きな壁となる。
残念ながら、認証書さえ取得できればいい、という会社はたくさんあって、コンサルタントに丸投げし、そのコンサルタントが適用不可能を主張してきたりする。適用不可能にしてしまった方が、あまり変更はなくてよいけれど、本当にそれでいいのかどうか。
審査員D:
コンサルタントを使うことは悪いというわけではないけれど、コンサルタントを使ってどうしたい、という思いがあって欲しい。そこはトップマネジメントの考え方次第で、(コンサルタントを使っていても)本当に効率的なシステムにしたいという組織もある。
審査員C:
ビューローベリタスのお客様には後者が多いよね。そういう真摯に取り組む組織をサポートしていきたいと、審査員としては思いますね。




 

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