規格解説
紛争鉱物規制および関連監査の現状について

製品開発部 川手洋明

2017/9/20up
紛争鉱物規制および関連監査の現状について


昨今、企業のCSRの一環として責任ある調達が求められています。例えば、アップルなどはサプライヤー企業リストを公開し、消費者に対して、透明性を高めるということを始めています。 そのサプライチェーン責任の一部である紛争鉱物規制および関連監査の現状について解説します。

1. 紛争フリー鉱物とは


すず、タングステン、タンタル、金に関し、コンゴ民主共和国および周辺紛争地域で採掘された鉱物である場合に、非合法武力勢力の資金源になっていないかどうか(紛争フリー)を証明された鉱物です。 複数の政府もしくは取引先のサプライチェーン要求事項として、企業に求められるようになってきています。

2. 米国ドッド・フランク法


代表的な法規制は、オバマ前大統領時代に制定された米国のドッド・フランク法第1502条です。正式名称は「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」で、ドッド・フランクという名前の由来は法案起案者である議員2名の名前です。 米国証券取引所の上場企業に対して、外国籍企業であっても製品の紛争鉱物フリーの証明を義務付けています。 具体的には、サプライチェーンを遡り鉱物の出所を調査し、適切な紛争鉱物フリーを担保するデューデリジェンスをします。 またOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)加盟国による「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」の公式採択以降、米国以外の国・地域においても同様の法律が制定されています。

3. 関連監査スキーム


国や地域の法律だけに留まらず、紛争鉱物フリーに関する監査スキームも存在します。例えばLBMA(London Bullion Market Association)の「責任ある金のプログラム」(Responsible Gold Programme: 責任あるジュエリー協議会)、EICC (Electronic Industry Citizenship Coalition:電子業界CSRアライアンス)のCFSI(Conflict-Free Sourcing Initiative)、RJC (Responsible Jewellery Council)の Code of Practices (COP)などが代表的なスキームです。 このうち、ビューローベリタスジャパンはLBMA、RJCの認定を取得しています。 更にはEICCの労働倫理監査の認定(紛争鉱物の監査項目は1問のみ、CFSI監査とは別)を受け、監査も行っております。

4. 米国の最新情報


規制緩和や保護主義で知られるアメリカのトランプ大統領はドッド・フランク法を無効もしくは弱体化させる意向を明確にしています。共和党議員による法案である「Financial Choice Act」は2017年6月に下院を通過しています。上院で可決される可能性は低いと言われていますが、一部修正された法案が可決される可能性はありえます。ただし、グローバルのトレンドとして、製品のサプライチェーン全体のトレーサビリティーと企業の倫理性を消費者が求める流れは止まらないとみられています。



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