審査員コラム
「効果の上がるISOマネジメントにするために−人間をもっとよく理解しよう−」連載第3回

ISO9001/ISO14001 主任審査員 寺澤 壯一郎

2014/8/8up

ISO審査員として数多くの審査を担当してきた中で、マネジメントシステムそのものの運用に問題は無いものの、もう一工夫として「人」に注目するとより導入効果を得られるのにな、と感じる組織に接する機会が何度かありました。
そこで本連載では、既に知られている様々な行動科学のコンセプトの中で、マネジメントシステム及びパフォーマンスの改善に繋がると考えられるものをご紹介します。(毎週金曜日掲載)

どんな仕事でも、自分が支配している限りは愉快であり、自分が服従している限りは不愉快だ。
電車の運転手は、バスの運転手に比べると幸福ではない。
アラン(幸福論)


(3)クリス・アージリスによる「やる気」の研究
仕事に対する「やる気」の問題を考えるにあたり、人間とはどういうものであって、どのような状況でいかなる行動をとるかという側面からの分析が必要です。「組織の個人に対する要求」と「組織における個人の欲求充足」が明確な方法で調整できれば、それは組織にとって望ましいことです。
このようなことを組織と個人が統合されていると呼びますが、クリス・アージリスは、「人間は元来、成長をする生体であり、人間がその本来の体質であろうとしても環境が許さなければ、自己実現ができず歪んでしまう」、そして「人間には心理的エネルギーがあり、『やる気』を考える時重要な役割を果たす」と述べています。すなわち、「欲求の顕在化→緊張状態→心理的エネルギー蓄積→動因→行動→成功→自己評価増加→欲求の顕在化→・・・」、と繰り返されるこの良循環は成功を味わう限りいつまでも続きます。
そして「『やる気』を起こす源となる心理的エネルギーは、@心理的成功感を味わえる機会がある、A自分が行った自己評価が組織の他のメンバーによって『確認』が得られる、B自分が組織の中で必要不可欠な人と他人に認められている、以上3つの条件が必要である」としています。
それらをベースに、「一人ひとりの人間が、個人あるいはグループのメンバーとして組織目標の達成と共に自分の欲求を充足させ、人間として成長と成熟を遂げられるような職場環境を与えるべきである」、「人間に能率学を適用させてはならない、結果ばかり求めるのではなく、プロセスを大事にすべきだ」と主張したのです。

次回はフレデリック・ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」を紹介します。

(続く/本連載は毎週金曜日に掲載します)
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