審査員コラム
「効果の上がるISOマネジメントにするために−人間をもっとよく理解しよう−」連載第5回

ISO9001/ISO14001 主任審査員 寺澤 壯一郎

2014/9/5up

ISO審査員として数多くの審査を担当してきた中で、マネジメントシステムそのものの運用に問題は無いものの、もう一工夫として「人」に注目するとより導入効果を得られるのにな、と感じる組織に接する機会が何度かありました。
そこで本連載での前半(第1〜4回)では、マネジメントシステム及びパフォーマンスの改善に繋がると考えられる行動科学のコンセプトをご紹介しました。後半の第5回(本記事)及び第6回(最終回)では、行動科学を絡めながら、筆者のISO審査経験をベースに、組織内で見過ごされがちな課題、仕事の質を向上させる上で障壁となっている問題の改善につながるヒントをお伝えします。(毎週金曜日掲載)

どんな仕事でも、自分が支配している限りは愉快であり、自分が服従している限りは不愉快だ。
電車の運転手は、バスの運転手に比べると幸福ではない。
アラン(幸福論)


3.目標の決め方
組織経営と同じようにISOマネジメントで一番重要なことは目標設定です。

(1)価値ある目標とするために
目標を目標として価値あらしめるためには、挑戦に値する目標でなければならず、そして、取り組む本人達が自らその目標をつくり出さなければなりません。他人が押しつけた目標はその価値を失います。しかし、組織内の目標は、全社方針や上司の期待目標と無縁に存在することは許されません。そのため、とかく「押しつけ目標」になりがちですが、これを押しつけでない目標にするものが、マグレガーのZ理論に基づく人間観であり、リッカートの説く新しいリーダーシップなのです。目標が挑戦的、具体的であり、取り組む本人達が十分に理解し、納得している目標であると、高い業績を目指す「組織の目標」と「自分達の目標」は矛盾せず統合されることになります。

(2)「人々の参画」は動機づけのカギです。
@人間は参画が認められた時だけ協力します。そのため、目標を決める時は、関係者全員の参画が必要です。
A効果的な動機づけへのカギは、「何をなすべきか」を決定する際に、関係者の「参画」をできる限り認める点にあります。従って、「いかになすべきか」という目標達成手段を考える場合も、関係者の参画が重要なポイントです。
「動機づけは錠前の沢山ついたドアで、それぞれの錠前には、別のカギが付いているとします。『参画』という錠前をはずしてもドアが開くとは限らないが、この錠前をはずさない限り、例え他の錠前が全部はずれても、ドアは決して開かない」とジャド・モーリスは「動機づけの技術」の中で述べています。

最終回となる第6回では、ISOマネジメントの運用効果を高める上で重要な要素となる経営者のリーダーシップを中心にお伝えします。

 

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