審査員座談会「ISO14001」

その1〜紙・ゴミ・電気の次なる一手

座談会開催日時:2009年4月6日(月) 16:00 - 17:00
2009/4/27up
紙・ゴミ・電気の次なる一手
司会 環境への取り組みというと、「紙・ゴミ・電気の削減」はほぼ定着しつつあるかと思います。今日の座談会では、更に一歩ステップアップした環境負荷削減への取り組み事例や、それがどのように経営に結びついているかなどを、お聞かせ下さい。

審査員C 私は環境マネジメントシステムの審査員を10年以上やっており、様々な組織を審査してきました。一般的には中小企業やサービス業、ソフト関連企業などは、「紙・ゴミ・電気」から入り次段階へ進む、といった感じがします。また、中小規模の製造業における環境への取り組みというと、「紙・ゴミ・電気」の次に、煙突からの煙や排水など産業廃棄物(大気・水質)へ着手するケースが一番多いのではないしょうか。
そして、社内での取り組みが一段落すると社外へ目を向け、地域や企業間での活動を開始したり、海外へ進出している企業であればその指導にあたったり、というケースも見受けられます。

審査員A 環境への取り組みと言っても、一番重要なことは目標設定ではないでしょうか。「省電力型家電製品や、省エネ型乗用車といった環境配慮型商品を開発して売上アップにつなげる」ことが、環境目標の場合もありますよね。

審査員B 従業員のマイカー通勤にメスを入れ相乗りを奨励、という事例もあります。社内の取り組みだけにとどまらず、従業員の各家庭にまで環境活動を広げて行っている企業もあります。

審査員C ある企業では、ハイブリットカーに切り替えた社員を対象に、駐車場を無料としています。社用車をハイブリッドカーに順次切り替えている企業もあります。
極端な例ですが、ホテルなどでは高級車が来ると、目立つ場所に駐車する所もあります。それと同様に、企業や公共施設の駐車場においても、ハイブリッドカーなど環境にやさしい車のユーザーを、人の目に触れやすい駐車スペースに誘導する。人は誰でも良く見られると嬉しくなるものですよね。そうした評価・反応を受けて、それまで渋々着ていた会社の制服をきちんと着こなし、誇らしげになる人もいるそうです。周囲の評価が、良い効果に繋がっていくケースですね。

審査員A 「紙・ゴミ・電気」を極めている組織はまだ少ないと思いますね。現在でも取り組み中の組織はたくさんあります。
10年間、「紙・ゴミ・電気」に取り組んでいるにも関らず、紙をまだまだ使用しているケースを目の当たりにすると、生産性が悪いのでは、と感じることもあります。むしろ、「今ごろ、紙・ゴミ・電気なんて」とおっしゃる組織ほど真剣に取り組んでいないのではとも思います。

司会 昨今の経済不況により、経費削減の一つとしてISO認証登録を取り止める組織が増加していますが、ISOをうまく活用することにより、経営効果につなげている組織も多数存在するかと思います。審査の中でもそういったことは見えるのでしょうか。

審査員A QMS(Quality Management System: 品質マネジメントシステム)は、組織のQMSへの期待値とQMS規格要求事項の解釈を深める、という両輪が回っていかないと、社会的な認識も薄らぎ、もう伸びないような気もします。一方、EMS(Environmental Management System: 環境マネジメントシステム)はその社会的意義がわかりやすいことから、まだ伸びる余地はあるでしょう。QMSの目標として業務改善を掲げる組織は、EMSへの取り組みを通じて環境に配慮した業務改善を強化する、という切り口が考えられますよね。

審査員D QMSもEMSもマネジメントシステムとしては変わりありません。経営者が目標を設定し、それが会社全体に浸透していけば、社員のモチベーション向上になるはずです。製品設計プロセスなどは顕著ですが、QMSとEMSの垣根はありませんし、そうあるべきであると思いますね。

審査員C 有効活用の具体的事例として、一般的に女性の多い組織は、環境への取り組みに参加しやすい印象があります。また「環境」という点で、会社同士や地域間での友好関係が築かれることもあるでしょう。
創立して間もない企業などは、社内ルールを作成する上で、EMSが一つの目標になることもあります。また、海外にも拠点があるグローバル企業においては、「環境」という共通の話題性も生まれます。環境負荷削減活動は、社会・地球に対して良いことで、幅は非常に広い。しかし、その分QMSのようにコスト削減には直接結びつきにくい部分もあるように感じます。
環境への取り組みは、「他から叱られないように」といった防御的な部分もあるかもしれません。しかし、それは企業として基本的取り組みの一つであり、また社員全員が参加できることが一番のメリットだと思います。




 

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