審査員座談会「ISO14001」

その3〜今後の方向性/審査員からのメッセージ

その2(2009/5/25掲載済)の続きです
日時:2009年4月6日(月) 16:00 - 17:00
2009/6/15up
今後の方向性
審査員C 今後は、環境報告書から、コンプライアンス、内部統制などを扱うCSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)報告書に方向を変える企業が増加していくのではないでしょうか。特に大手企業にその傾向が見られます。

審査員B なぜ、それをやるのか。それはやはり、売上げアップ、利益に繋げていきたいからですよね。そして社会的責任への配慮。

審査員D 結局、地球にやさしいというのは、社会的ステータスの向上であり、人から良く見られたいということですよね。それだけの投資を各組織は行っているわけですから。

審査員A ISOが業務改善、経営へ結びつかなければ、衰退へ向かうでしょう。改善へのヒントが出せないと淘汰されてしまう気もします。

司会 CSRは来年、ISO26000になるという話もあるようですね。

審査員C その話は10年位前からありましたが、何度も紆余曲折がありました。欧州からくるものは、世界基準になっていく可能性が高いのではないでしょうか。

司会 現在の社会状況においては、再認証審査を迎えるタイミングでコストパフォーマンスの見直しを図る組織も多いようです。そういった中で、EMSの今後の方向性をどのように考えていらっしゃいますか。また、適合している・していないという平面的結論ではなく、達成程度をランキングして結論付けを行い、横断的比較も容易にする、VeriCert®は今後の注目サービスですが、お客様の反応はいかがでしょうか。

審査員C 「認証取得効果レベルを超えたパフォーマンス向上」が可能となるVeriCert®については、お客様も興味を持たれていると思います。

審査員B 審査先でも、「ISO取得企業の中で、弊社はどのような位置付けになりますか。」というご質問を受けることがあります。VeriCert®であれば、次の5段階の評価グレードの中から何れかを示すことになるでしょう。
1 - 組織としての正式な対応がない (No formal approach)
2 - 受動的対応 (Reactive approach)
3 - 安定的なプロセスの実施 (Stable formal approach)
4 - 継続的改善取り組み (Continued improvement emphasized)
5 - 先進的で最良な状態 (Best in class performance)

審査員C 審査機関を変更される組織もあれば、審査機関を評価して下さる組織もあるわけです。その中で、我々は、組織及び世の中の期待値を先取りして準備したいものです。

司会 お客様は千差万別ですから、同じことを申し上げても受け止め方が違う場合もあり、その辺りは難しいですよね。統合審査についてはいかがでしょうか。

審査員C QMSとEMSの事務局が同じであれば、足し算でいいと思っています。統合出来る部分だけを一つにするということです。しかし、本来は、「統合」と言うからには、組織が統合する意図を明確にする必要があります。そしてその意図を基盤にして、組織の統合内容と程度が審査されるべきだと思います。目的と手段ですね。マネジメントレビューと内部監査についても、実施機会が同時でも仕組みが「統合」されていないと、本来の「統合」にはならないですよね。この点が難しいと思います。

審査員B 一方の規格の理解しかない場合、組織が意図する「統合」は難航すると思われます。これは審査員にも要求されることで、自戒をこめて言えば、審査資格を満たしているからといって、必ずしも確実にできることではないですね。この点に関して、ビューローベリタスは枠組みを急ピッチで準備中です。

   
審査員からのメッセージ
司会 では最後に、審査員からお客様へ、「これだけはお伝えしたい!」ということがありましたらお願いします。

審査員C 普段通りの姿で審査に臨んでいただきたいですね。審査だからといって、特別なことをする必要はありません。しかし、段取り8割ですので、審査計画段階や、審査チームが時間割を作成する段階で、審査の意図をお伝えする際に、組織の期待値をお聞かせいただけると助かります。部門をお邪魔する順番や、現場での時間配分など、考えることはたくさんあります。

審査員B その通りです。審査直前にバタバタしがちですが、この審査計画によって、組織自身の審査期待値を調整するプロセスを兼ねることができるのではないでしょうか。

審査員D 審査時に、普段と違うことをされている姿を拝見することがありますが、その組織のルールに審査員も従いますから、特別扱いは要りません。

審査員C 電子化が浸透しつつあるのに、今なお紙で文書を管理されている組織企業もあります。紙の方が、確認印などの管理で便利ですからと。お気持ちは分かりますが、ペーパーレスになりますし、管理も楽ですから、電子化できるものは電子化の方向でお願いしたいですね。

審査員B 審査直前になり、審査資料の中身の見直しに時間を費やされるケースもあります。そして、審査時にその資料を出して下さいとお願いすると、すぐに出てこない。中身の整理も大切ですが、資料保管場所の整理も意識いただきたいですね(笑)。また、不適合を恐れている組織もまだ多いです。

審査員C 組織内で不適合の有無を競い合っていることもあります。ポジティブな向上につながっていれば良いのですが。

審査員D 不適合は改善すべき点ですから、一緒に改善していきましょうという前向きな気持ちで受け止めていただければいいのです。我々が重要視するのは、不適合が出たという現象ではなく、なぜ審査員がそれを不適合として選んだのか、組織のご理解を十分に得ているか、という点です。

審査員A ISOの審査が経営の役に立っていないと感じていたら、遠慮なく審査機関へご指摘・ご相談下さい。我々審査員もお客様によって育てられると、常に意識しています。

司会 厳しい話を耳にすることが多い昨今ですが、せっかく取得されているISO14001をいかに効果的に運用するか、という点で、今日の座談会がお客様のご参考になれば嬉しいですね。本日はありがとうございました。




 

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