ISO13485〜医療機器産業品質マネジメントシステム規格の改訂動向
2016/2/3up
2011年からISO/TC210において、
ISO13485の改訂作業が進められています。2015年10月29日には、最終国際規格案であるISO/FDIS13485:2015が回付されました。ISO13485は、医薬品医療機器法におけるQMS省令、各国の規制に採用され、医療機器製造業者としてその遵守が必須となっています。今回の改訂は、従来のISO13485の基本的な内容から大きく変わるものではありません。しかしながら、品質マネジメントシステム要求事項の明確化、及び各国規制との整合化を背景に要求事項の追加など、変更が加えられています。
ISO13485〜今後の改訂スケジュール
FDIS13485が承認されると国際規格として成立し、正式に発行されます。改訂作業が順調に進んだ場合、2016年前半には発行されると予想されます。
ISO13485〜主な変更内容
付属書SLについて
ISO13485の改訂に先立ってISO9001:2015が2015年9月15日に発行されました。
ISO9001:2015の規格構成は、「附属書SL」が適用されています。しかしISO13485の今回の改訂は、ISO9001:2008に整合させているため、規格の構成については「附属書SL」が適用されていません。
既存のISO13485:2003版の要求事項からの変更点
まえがき |
・ 医療機器のライフサイクル(設計開発から最終的な廃棄及び関連活動等の設計開発及び提供)の一つ、又は複数の段階に関係する組織が使うことができる品質マネジメントシステムの要求事項であることを規定する
・供給者及び外部のパーティへの当該規格の適用可能
・非適用として良い要求事項の範囲の拡大 |
0. 序文 |
1. 適用範囲 |
2. 引用規格 |
3. 用語と定義 |
・新しい用語の追加及び定義の見直し |
4. 品質マネジメントシステム |
・QMSに必要とする適切なプロセスの管理においてはリスクに基づいたアプローチを考慮する
・プロセスの変更に関する要求事項を追加
・プロセスをアウトソースした場合の管理責任を規定
・QMSで使用されるコンピュータソフトウェアの応用のすべてにバリデーションの要求、文書化を規定、等
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5. 経営者の責任 |
・マネジメントレビューの手順の文書化要求
・マネジメントレビューインプット及びアウトプット項目の見直し、等
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6. 資源の運用管理 |
・人的資源における要員の力量確立、教育訓練プロセスの文書化
・製品要求事項を達成し、秩序だった取扱いを確実にするためのインフラストラクチャ要求事項の文書化
・滅菌医療機器に関し微粒子又は微生物による製品の汚染管理要求事項についての文書化 |
7. 製品実現 |
・製品に関する要求事項にユーザートレーニングが追加
・規制当局とのコミュニケーションの計画、文書化
・設計開発プロセスに新規箇条が追加
・無菌バリアシステムのプロセスバリデーションの要求事項が追加
・機器固有識別 ( UDI )に関する要求事項が追加、等 |
8. 測定、分析及び改善 |
・苦情処理(8.2.2)、規制当局への報告(8.2.3)など新規細則箇条が追加
・不適合製品の管理(8.3)が細分化
・是正・予防処置の実施が悪影響を与えていないことを検証する要求事項を追加、等 |
※詳細はISO/FDIS13485:2015をご参照下さい。
お断り:執筆時点(2016年1月)での情報に基づく記事であり、今後の規格改訂動向により変更となる可能性があります。
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